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最近の研究で日本国内の[[マンガン]]鉱床に[[花崗岩]]を上回る割合で希土類元素が含有されていることが判明し、現状打破の新たな資源として注目されている。また、[[火力発電所]]等の集塵機で回収される[[石炭]]や[[石油]]の[[灰]]にも含まれているため、今後の利用促進が期待される。また、海底の[[マンガン団塊]]や[[コバルトクラスト]]、[[熱水鉱床]]等の[[海洋資源]]も供給源として期待される。
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使用後のリサイクルとして、乾溜ガス化燃焼等で有機質を熱分解し、レアアースを回収する方法がある。
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== 出典 ==
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== 関連項目 ==
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*[[レアメタル]]
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*[[バヤン鉱区|白雲鉱区]]: 世界最大の希土類元素鉱床・バイヤンオボ鉱床がある、[[中華人民共和国|中国]][[内蒙古自治区]][[包頭市]]の[[市轄区]]。
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*[[キドカラー]]:[[日立製作所]]が製造・販売していたカラーテレビの商標・愛称。輝度を上げるためにブラウン管内部の蛍光体材料に希土類が用いられたことから「輝度」と「希土」をかけて「キドカラー」と名付けられた。
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== 外部リンク ==
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*[ttp://www.kidorui.org/ 日本希土類学会]
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*[ttp://www.jsnm.or.jp/ 社団法人新金属協会]
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*[ttp://unit.aist.go.jp/georesenv/result/green-report/report07/p75.pdf レアアース資源を供給する鉱床タイプ]
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[[Category:元素群|きとるいけんそ]]
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[[af:Seldsame aardelement]]
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[[vi:Đất hiếm]]
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[[zh:稀土金属]]

2012年10月14日 (日) 16:23時点における最新版

21 Sc スカンジウム
39 Y イットリウム
57 La ランタン




58 Ce セリウム
59 Pr プラセオジム
60 Nd ネオジム
61 Pm プロメチウム
62 Sm サマリウム
63 Eu ユウロピウム
64 Gd ガドリニウム
65 Tb テルビウム
66 Dy ジスプロシウム
67 Ho ホルミウム
68 Er エルビウム
69 Tm ツリウム
70 Yb イッテルビウム
71 Lu ルテチウム

希土類元素(きどるいげんそ、rare earth elements、レア・アース)は、スカンジウム テンプレート:subSc、イットリウム テンプレート:subY、ランタン テンプレート:subLa からルテチウム テンプレート:subLu までの17元素からなるグループである(元素記号の左下は原子番号)。周期表で表すと、第3族のうち(第4周期から)第6周期までの元素である。なお、希土類希土とは、希土類元素の酸化物である。

これらの元素は化学的性質が互いによく似ている。性質を若干異にするスカンジウムおよび天然に存在しないプロメチウム以外の元素は、ゼノタイムやイオン吸着鉱などの同じ鉱石中に相伴って産出し、単独で分離することが難しい。そのため、混合物であるミッシュメタルとして利用されることも多い。金や銀などの貴金属に比べて地殻に存在する割合は多いが、単独の元素を分離精製することが難しいため、2007年の現在でも「Rare=まれ」な元素である[1]

分類[編集]

希土類元素のうちスカンジウムとイットリウム以外の15元素はランタノイドである。

明確な定義はないが、希土のうち原子番号の小さいものを軽希土、大きいものを重希土と呼ぶ。中間のものを中希土と呼ぶこともある。

元素ごとに分離されたものを分離希土、分離されていないものを混合希土(ミッシュメタル)と呼ぶ。

産地[編集]

中国が世界の産出量の90%以上を占めており[2]、その他の産地もインドオーストラリアブラジルなどに偏在している。日本は世界需要の約半分を占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っている。最近の中国の経済成長によって中国からの輸出が減少しており、世界的な需給バランスの逼迫(ひっぱく)が懸念されている。

最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されていることが判明し、現状打破の新たな資源として注目されている。また、火力発電所等の集塵機で回収される石炭石油にも含まれているため、今後の利用促進が期待される。また、海底のマンガン団塊コバルトクラスト熱水鉱床等の海洋資源も供給源として期待される。

米国ではカリフォルニアの鉱床で希土類元素採掘が再開される見込みがある[2]

ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)の中重希土類は、これらを多く含むイオン吸着鉱が中国でしか産出しない。今後、需要が増加すると見られるハイブリッドカー電気自動車用の高出力モーターの磁石にネオジム(Nd)とジスプロシウム(Dy)の添加で保磁力が高まるため、不足が懸念される。中土類の産生が期待されるカナダのThor Lake鉱山の稼動開始が2010–2011年であり、少なくともそれまでは、中国に依存する体制が続く[1]

用途[編集]

水素吸蔵合金二次電池原料、光学ガラス、強力な希土類磁石蛍光体研磨材などの材料となる。マグネシウム合金に微量添加することで機械的特性を向上する。 使用後のリサイクルとして、乾溜ガス化燃焼等で有機質を熱分解し、レアアースを回収する方法がある。

レア・アースの種類と用途例[1]
用途 21
Sc
39
Y
57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
磁石
光磁気ディスク
蛍光体
レーザー
光ファイバ増幅器
コンデンサ
水素吸蔵合金

出典[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 日経エレクトロニクス 2007年8月27日号「レア・アース」
  2. 2.0 2.1 [ttp://news.livedoor.com/article/detail/4318182/ 中国、レアアースの輸出禁止を検討] 2009年08月27日11時19分閲覧、WIRED VISION

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • [ttp://www.kidorui.org/ 日本希土類学会]
  • [ttp://www.jsnm.or.jp/ 社団法人新金属協会]
  • [ttp://unit.aist.go.jp/georesenv/result/green-report/report07/p75.pdf レアアース資源を供給する鉱床タイプ]af:Seldsame aardelement

ca:Terra rara da:Sjældne jordarter de:Metalle der Seltenen Erden el:Σπάνιες γαίεςeo:Rara tero es:Tierras raras eu:Lur arraro fi:Maametalli fr:Terres rares ga:Tearcithir hr:Kovine rijetkih zemalja hu:Ritkaföldfémek is:Sjaldgæfur jarðmálmur it:Terre rare kn:ವಿರಳ ಭಸ್ಮ ko:희토류 원소 nl:Zeldzame aarde pl:Metale ziem rzadkich pt:Terra-rara ru:Редкоземельные элементы sv:Sällsynta jordartsmetaller th:แรร์เอิร์ท uk:Рідкісноземельні елементи vi:Đất hiếm zh:稀土金属