ワールドスーパージョッキーズシリーズ

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ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WORLD SUPER JOCKEY'S SERIES)とは1987年から2014年まで阪神競馬場の師走開催の第1週(概ね12月第1週)に開催されていた中央競馬の国際騎手招待レースで、世界各地のリーディングジョッキーと日本から中央・地方競馬の代表騎手15人(2006年までは14人、2013年までは15人)が集結し4レースのポイント制で総合優勝を争った。「WSJS」という略称も用いられていた。

また1999年のみ、障害レースにおける同趣旨のインターナショナルジャンプジョッキーズというレースが行われていた。

2008年からはジャパン・オータムインターナショナルに指定されていた。

1990年は阪神競馬場の工事の関係で京都競馬場2010年ジャパンカップ30周年記念事業として東京競馬場で開催された。なお東京競馬場ではWSJSとは別枠で「インターナショナルジョッキーズ」レースが過去にジャパンカップの開催週に施行されたことがあったが、これはポイント制ではなく騎手交流の親善レースだった。

2012年以降、西暦偶数年は東京(11月・ジャパンカップ開催週)、奇数年は阪神(12月・ジャパンカップダート開催週)(2010年の事象とは違い、いずれも土日の2日間ずつ)で東西交互に実施されていた[1]

2015年からはワールドオールスタージョッキーズとして8月下旬に札幌競馬場での開催となった。これは秋季GI開催シーズンの時に外国人騎手が短期騎手免許の制度を行使してレースに出場することが多くなったことやGIレースと開催する週と重複して実施すると、GIレースばかりが注目され、ワールドスーパージョッキーズシリーズが相対的に盛り上がらないという弊害があったとされる。そこで、夏季開催に試験的に移行することで夏季開催全体の盛り上げに寄与することを目標としている[2]

ワールドスーパージョッキーズシリーズは全レース特別レース(1,000万以下条件戦、1,600万以下条件戦)であり、重賞レースではない。

大会のルール

以下の対象レースの合計得点で決める(得点は下の得点表を参照)。同ポイントで複数の騎手がトップで並んだ時には同点決勝等のプレーオフは開催せず同点優勝とする。

対象レース

東京開催(2010年から)
  • エクセレントジョッキーズトロフィー
  • ファンタスティックジョッキーズトロフィー
  • マーヴェラスジョッキーズトロフィー[3]
  • プロミネントジョッキーズトロフィー
阪神開催(2011年から)
  • ゴールデンサドルトロフィー(サドル=
  • ゴールデンブライドルトロフィー(ブライドル=頭絡
  • ゴールデンブーツトロフィー(ブーツ=長靴
  • ゴールデンホイップトロフィー(ホイップ=
2009年まで
  • ゴールデンサドルトロフィー(サドル=鞍)
  • ゴールデンスパートロフィー(スパー=拍車
  • ゴールデンブーツトロフィー(ブーツ=長靴)
  • ゴールデンホイップトロフィー(ホイップ=鞭)

(各レースの距離・コース・施行順は開催年ごとに異なる)

開催規定

  • 出走馬に騎乗する騎手は開催週の水曜日に公開抽選を行って決定する。なお騎手間の公平を保つため、あらかじめ出走馬を能力順にAからDの4段階(2010年はAからCの3段階)に区分し騎手は各区分の出走馬に万遍なく騎乗する。
  • それぞれのレースにつき、レース成績に応じて次のようなポイントを与える。ただし、出走頭数が揃わなかった場合や競走馬の事故による競走中止・出走取消など騎手の責任を問わないで出走馬が完走できなかった場合には当該レースで最低着順の騎手が獲得したのと同数のポイントが与えられる。騎手本人の責任により騎乗できなかった(落馬負傷など)、失格になった場合(進路妨害により落馬が発生した場合など)はポイントを与えない。ポイントは2010年現在のものである。
1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10 - 11着 12 - 15着 取消/除外/中止
頭数不足
失格/不騎乗
20点 15点 13点 11点 10点 6点 5点 4点 3点 2点 1点 1点 0点
  • これを4レース(土曜日、日曜日それぞれ2レースずつ、2010年は土曜日の3レースのみ)行い、総合ポイント成績の上位騎手に対し賞金が贈呈される。
    • 総合優勝騎手 - 300万円、および副賞として30万円相当[4]のトロフィー
    • 総合2位騎手 - 200万円
    • 総合3位騎手 - 100万円
  • 通常より高額な騎乗手当が設定されている(2001年時点で1レース50万円[5])。

選定方法

下記のそれぞれの選定方法により、合計15人の出場騎手が決定する。

歴代優勝者

阪神開催

回数 施行日 優勝騎手 所属/国
第1回 1987年12月5日6日 キャッシュ・アスムッセン アメリカ合衆国
第2回 1988年12月3日4日 柴田政人 JRA美浦
第3回 1989年12月2日・3日 松永幹夫 JRA(栗東
第4回 1990年12月1日・2日 岡部幸雄 JRA(美浦)
第5回 1991年11月30日・12月1日 南井克巳 JRA(栗東)
第6回 1992年12月5日・6日 武豊 JRA(栗東)
第7回 1993年12月4日・5日 岡部幸雄 JRA(美浦)
第8回 1994年12月3日・4日 石崎隆之 NAR船橋
第9回 1995年12月2日・3日 横山典弘 JRA(美浦)
第10回 1996年11月30日・12月1日 ジェリー・ベイリー アメリカ合衆国
第11回 1997年11月29日・30日 川原正一 NAR(笠松
第12回 1998年12月5日・6日 オリビエ・ペリエ フランス
第13回 1999年12月4日・5日 柴田善臣 JRA(美浦)
第14回 2000年12月2日・3日 オリビエ・ペリエ フランス
第15回 2001年12月1日・2日 鮫島克也 NAR(佐賀
第16回 2002年11月30日・12月1日 河内洋 JRA(栗東)
第17回 2003年12月6日・7日 柴田善臣 JRA(美浦)
第18回 2004年12月4日・5日 ダグラス・ホワイト 香港香港JC
アンドレアス・スボリッチ ドイツ
第19回 2005年12月3日・4日 岩田康誠 NAR(兵庫
第20回 2006年12月2日・3日 アンドレアス・スボリッチ ドイツ
第21回 2007年12月1日・2日 クレイグ・ウィリアムズ オーストラリア
第22回 2008年12月6日・7日 イオリッツ・メンディザバル フランス
第23回 2009年12月5日・6日 横山典弘 JRA(美浦)
第25回 2011年12月3日・4日 ジョン・ムルタ アイルランド
第27回 2013年11月30日・12月1日 リチャード・ヒューズ イギリス

東京開催

回数 施行日 優勝騎手 所属/国
第24回 2010年11月27日 ライアン・ムーア イギリス
第26回 2012年11月24日・25日 ザカリー・パートン 香港(香港JC)
第28回 2014年11月29日・30日 浜中俊 JRA(栗東)
  • 2004年は1位同点で2名優勝。
  • この表にもある通り複数回の優勝騎手は出ているが、これまで連覇した騎手はいない。
  • 所属は当時。川原は2005年より兵庫に、岩田は2006年より中央競馬に移籍している。

その他

  • 1990年には女性騎手であるジュリー・クローンがこのレースに出場するため来日した。日本国籍以外の国籍を持つ人物としては中央競馬の競馬場で騎乗した初の女性騎手であった。
  • ゼッケンのスタンド側には馬名ではなく騎乗騎手名が表示される(反対側は馬名)。これはこのシリーズに関連するレースのみの特別仕様である。
  • 1987年の第1回は「国際騎手招待競走」が正式名称であった。現在の名称となったのは1988年の第2回からである。

参考文献・出典

  • 優駿 1988年1月号(第1回国際騎手招待競走記事)、1989年1月号(第2回ワールドスーパージョッキーズシリーズ記事)

脚注

  1. JRAの12年度賞金、26億円減 - スポーツ報知、2011年11月21日
  2. 「WSJS」来年札幌で開催 「冬の風物詩」が「夏競馬の目玉」に - スポーツニッポン、2014年11月21日
  3. 2012年から。
  4. 2010 World Super Jockeys Series - outline and jockeys profiles(Horse Racing in Japan)
  5. 競馬ネットmagazine 第579号Gallop Online2001年5月1日
  6. なお2010年は関東2位の蛯名正義が関東2位枠ではなく牝馬三冠を理由とした特別枠での出場となったため関東3位の内田博幸が繰り上がりで、その後関東1位の横山典弘が騎乗停止のため関東4位の松岡正海が繰り上がりでそれぞれ出場。
  7. ただし開催初年度の1987年は地方競馬からの招待騎手は辞退したため地方競馬騎手の初参戦は1988年の第2回からとなった。1987年は補欠枠に入ったJRAの河内洋がその穴埋めで出場。

関連項目


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