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東京(とうきょう)は、日本本州東部に位置し、明治2年1869年2月11日)以来、事実上の日本の首都が置かれている都市、地域である。

現在、この地域を管轄している行政主体は東京都という地方公共団体であるが、多摩地方伊豆諸島小笠原諸島までの広大な海域・島嶼も含まれる東京都の行政区分と、一般的な都市名としての「東京」が指し示す範囲には乖離があるため、用例によっていくつかの区分が存在する。
1.都道府県の一つ「東京都
2.一つの都市としての「東京」=東京都区部、いわゆる東京23区。
そしてこれらを中心とした東京都市圏が形成されている。

概説[編集]

東京の成立[編集]

東京(「とうきょう」、古くは「とうけい」とも読んだり「東亰」とも表記した)の名は、1868年9月(明治元年(慶応4年)7月)に出された江戸ヲ称シテ東京ト為スノ詔書により、江戸の町奉行支配地域を管轄する東京府が設置されたことに始まる。京都から見て東の京(みやこ)の意である。これは遷都を避け、京都にくわえて新たに江戸も京(みやこ)とされたことによる(→東京奠都の項目を参照)。ただし、明治中期頃までは「東亰」という表記も使われていた(この亰という文字は、京の俗字)。

明治新政府首脳は江戸への遷都を考えていたが、京都の公家らの反発が強かったため、とりあえず「江戸もみやこである」と宣言したといわれている。これは天皇が江戸で政治を行う必要があるため江戸を東京としたもので、これに伴ない天皇の行幸(東京行幸)が行なわれた。明治天皇は、明治元年10月(1868年11月)に東京(江戸城改め『東京城』)に入り、その後一度は京都へ戻る。明治2年3月(1869年5月)に再び東京(この年から『東京城』を『皇城』と呼ぶ)に入った2度目の行幸では太政官(政府)が移されたため、これを「事実上の東京遷都」ともいう。 また、これに関係して首都についての議論もあるが(→日本の首都の項目を参照)、第二次大戦後には、日本国憲法によって主権天皇ではなく国民に存すると宣言されたため、国権の最高機関である国会が開かれる東京を首都とみなすのが妥当であるという考えもある。

東京の定義[編集]

ファイル:Tokyo Landsat.jpg
衛星から見た東京の中心部

都市・「エリア」ごとの範囲[編集]

  1. 東京都(約1268万人)- 旧東京府と同じ地域を指すが、地方自治のシステムが異なる。→都制都道府県の人口一覧
  2. 東京23区 - (852万人)旧東京市と同じ地域。→日本の市の人口順位
  3. 東京都下 - 多摩地方の市町村郡部や島嶼部を指す。
  4. 東京大都市圏(東京メトロポリタンエリア、Greater Tokyo Area) - (約3439万人) - 東京都心から同心円状70km圏内。世界的には、総務省の公務員が用いているところの関東大都市圏、一都三県、国連人口部局のUrban Agglomeration of Tokyoなどとほぼ重なり、日本のみならず、海外でも Greater Tokyo Area、東京メトロポリタンエリアの定義に用いられる事が多い。→三大都市圏
  5. 都市雇用圏としての東京大都市圏 - (約3173万人)- 東京23区の10%通勤圏。
  6. 関東大都市圏(約3461万人)[1]東京23区とその近郊政令市を中心都市とした1.5%通勤通学圏。東京大都市圏とほぼ重なる。→都市圏都市圏 (総務省)
  7. 一都三県(南関東)- (約3447万人) - 地理的には、利根川以南の南関東1都3県(東京都埼玉県神奈川県千葉県)を指す。
  8. 京浜葉大都市圏 - (約3449万人)- 東京23区及び、川崎 - 千葉 - 横浜の政令指定都市を中心とした通勤・通学圏の範囲(2000年統計であるため、2001年に政令市となったさいたま市はこの時点では含まれない)。
  9. Urban Agglomeration of Tokyo - (約3520万人)[1] - 人口集中地区 (DID) を基準とした国際連合人口部局による範囲。→Urban Agglomeration
  10. 関東地方(約4167万人)- 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県栃木県群馬県の一都六県。
  11. 首都圏(約4237万人)- 政治・行政的用語では、東京都の島嶼部を除き、関東地方および東京都と境界を接する山梨県を含めた1都7県が「首都圏」とされている。

近年は新幹線など交通網の発達で、東京の都市圏の範囲は広がり、一部東北地方新潟県などを含める論議もある。

都市圏の定義上の問題点[編集]

上記の都市・エリアごとの範囲にせよ、市街地の連続性、交通網の発達度など、いくつかの要素が見落とされており、科学的かつ、厳密なものと断定しきれない面がある。 日本国内では、定義が明確な東京都、もしくは東京23区(旧東京市)を「東京」と呼ぶことが一般的である。 首都に関しては、1943年7月1日に「東京市」が廃止されて以降、日本の首都として法律上明確に定義されていない。よって、東京都全域か、東京23区を一つの都市として扱い首都と呼ぶ。

ただし、東京23区の範囲のみを管轄する首長がいないため、海外では原則として東京都全域を一都市として首都とし、都知事が市長として扱われる(ロンドンと同じ認識)。

世界最大の人口[編集]

東京の人口は、23区では852万人(2006年8月現在)であるが、昼夜人口変動を考慮すると、オフィス街の多い23区における昼間人口は遥かに高い。 東京都では1264万人、東京大都市圏では約3,460 - 3,520万人である。東京大都市圏の3460万人という数字は世界のどの都市圏よりも多く(メキシコシティ都市圏、ニューヨーク都市圏、サンパウロ都市圏と続く)、東京は世界最大の都市を形成しているといえる(世界の都市圏人口の順位参照)。

世界最大の経済都市[編集]

2005年の名目国内総生産(GDP)は、東京都だけで 8787億ドル に達し、ブラジル(7956億ドル)、韓国(7875億ドル)、インド(7719億ドル)、ロシア(7632億ドル)より大きく、世界10位の「国」に相当し、東京大都市圏(ほぼ1都3県、関東大都市圏)では、1兆5591億ドル で、カナダ(1兆1324億ドル)、スペイン(1兆1265億ドル)より大きく、世界8位の国に相当する、世界最大の経済都市である(国の国内総生産順リスト参照)。

購買力平価(PPP)を基にしても、東京大都市圏のGDPは、1兆1,910億ドル(2005年)[2]と非常に大きく、G7の一員であるカナダ全体のGDP(1兆1302億ドル)などを超える、名実共に世界最大の経済都市であり(2位がニューヨーク都市圏1兆1330億ドル)、GDP世界11位の「国」に相当する。

  • GDP(名目)
(02 日本 - 4兆5674億ドル)
07 イタリア - 1兆7655億ドル
08 東京大都市圏 - 1兆5591億ドル
09 カナダ - 1兆1302億ドル
10 スペイン - 1兆1265億ドル
11 東京都 - 8787億ドル
12 ブラジル - 7956億ドル
13 韓国 - 7875億ドル
14 インド - 7719億ドル
15 メキシコ - 7684億ドル
16 ロシア - 7632億ドル
  • GDP(PPP)
08 東京大都市圏 - 1兆1910億ドル
09 カナダ - 1兆1302億ドル
10 スペイン - 1兆1090億ドル
11 メキシコ - 1兆0725億ドル
12 韓国 - 9943億ドル

交通機関[編集]

世界最大の鉄道網[編集]

JR私鉄地下鉄モノレールなどが網の目のように張り巡らされ、年間輸送人員は世界一である。発着時間は正確で、3列乗車など乗降マナーも良いと外国人の評価は高い。海外からの観光客誘致を目指して2003年に始まった「 Visit Japan Campaign 」も手伝い、英語の車内アナウンスや、駅の標識のローマ字表記は増えている。

中央ターミナル駅は東京駅である。長距離に適用される「東京都区内」および「東京山手線内」発着の乗車券は、東京駅との距離をもとに運賃が計算されている。その他の主要駅から伸びるJRや私鉄は、その主要駅が基準になっている(なお、これらが発行される条件については、それぞれの記事を参照のこと)。

上野駅品川駅には新幹線が停車し、新宿駅は乗降客数が世界一で、長距離バスターミナルになっている。その他、環状線の山手線主要ターミナル駅も乗降者が多く、昼夜人波が途絶えることはない。

航空[編集]

東京国際空港(通称:羽田空港)、千葉県成田市にある成田国際空港(旧称・新東京国際空港)がある。開港の目的は、羽田の国際線を分離移転することなどだった。そのため、国内線運賃などの扱いは羽田空港と同じである。軍民両用が目指されている横田基地内の横田飛行場(東京都福生市)や、航空自衛隊百里飛行場茨城県小美玉市)も、民間共用化の工事が進行中で、茨城空港として2009年に開港予定。

道路[編集]

船舶[編集]

東京の食[編集]

フランスのタイヤメーカーミシュランが発行するグルメブック、『ミシュラン東京日本語版2008』が2007年11月に刊行された。アジアでは初のことである。それによると東京は三つ星レストランが8店と、パリに次いで多く、星を獲得した店の合計は世界一多い190店を超えた。総責任者のジャン=リュック・ナレ氏は「東京は世界一の美食の都」と語り、ロイター通信は、「パリも、ニューヨークも、ローマも、忘れてしまえ。グルメの本場は東京なのだ」[3]と驚きをもって伝えた。

東京都の街[編集]

Category:東京23区の地域も参照

特別区[編集]

千代田区 - 中央区 - 港区 - 新宿区 - 文京区 - 台東区 - 墨田区 - 江東区 - 品川区 - 目黒区 - 大田区 - 世田谷区 - 渋谷区 - 中野区 - 杉並区 - 豊島区 - 北区 - 荒川区 - 板橋区 - 練馬区 - 足立区 - 葛飾区 - 江戸川区

多摩地域(26市、(1郡)3町1村)[編集]

八王子市 - 立川市 - 武蔵野市 - 三鷹市 - 青梅市 - 府中市 - 昭島市 - 調布市 - 町田市 - 小金井市 - 小平市 - 日野市 - 東村山市 - 国分寺市 - 国立市 - 福生市 - 狛江市 - 東大和市 - 清瀬市 - 東久留米市 - 武蔵村山市 - 多摩市 - 稲城市 - 羽村市 - あきる野市 - 西東京市 、 西多摩郡 瑞穂町 - 日の出町 - 奥多摩町 - 檜原村

島嶼部(2町7村)[編集]

大島町 - 八丈町 - 利島村 - 新島村 - 神津島村 - 三宅村 - 御蔵島村 - 青ヶ島村 - 小笠原村

23区の街[編集]

  • オフィス街
丸の内大手町エリア、霞が関新橋汐留エリア、品川新宿八重洲など
  • 商業地
浅草上野エリア、池袋エリア、銀座有楽町エリア、東京駅日本橋エリア[4]渋谷原宿青山表参道エリア、新宿エリアの6大エリアがある。

他に、赤羽秋葉原恵比寿神田高円寺自由ヶ丘二子玉川エリア、代官山六本木赤坂エリア、蒲田北千住錦糸町下北沢巣鴨中野練馬など。

銀座は、ニューヨーク五番街パリシャンゼリゼ通りと共に、高級百貨店やラグジュアリーショップ、ブランド旗艦店などが立ち並ぶブランドストリートとして世界的にも知られる。


近年、オフィス街に商業施設がオープンしたり、商業地にマンションやオフィス棟が建設されるなど、オフィス街、繁華街、住宅地の区別が曖昧になってきている。都心も、行政区単位で都心3区や都心5区、都心7区などを指す場合もあれば、首都高内側の都心11区を指す考えまで様々であり、街も数え上げれば膨大になる(都心参照)。

多摩地域(都下)の街[編集]

吉祥寺国立小金井国分寺立川多摩ニュータウン多摩)、八王子府中町田など

中でも吉祥寺、町田、立川などは大きな繁華街を形成している。

東京周辺の鉄道沿線別の自治体[編集]

東京大都市圏の街(主に神奈川県、埼玉県、千葉県)[編集]

「東京」のスポーツチーム[編集]

「東京」と名がつく芸能人[編集]

東京大都市圏の「東京」と名が付く施設[編集]

埼玉県や千葉県の公共機関や学校、テーマパークなどには、「東京」と名の付く施設が多い。

官公庁、政府機関[編集]

学校[編集]

その他企業、施設等[編集]

その他[編集]

和文通話表で、「」を送る際に「東京のト」と言う。

首都機能移転論[編集]

詳細は 東京一極集中 を参照

東京には、重要な機能があり、各地方から多くの人と会社が集まる。近年そういった状況を「東京一極集中(要検証)」と、批判する向きがある。「国会等の移転に関する法律」[5]では、国会等の移転の推進のため検討を行い、そのための国の責務や移転候補地の選定体制等を決定するとされた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


テンプレート:東京の範囲

  1. [6]