ヒロイン

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ヒロイン英語:heroine)は、女性もしくはメス主人公を示す語で、男性形のヒーローに対応する言葉である。

また、男性主人公の恋人の役柄を指す場合もあるが、現在の日本では前者の意味で用いられることが多い。ただし、恋愛ゲームの世界では後者の意味でのみ用いられ、主人公が女性であってもヒロインとは呼ばない。

ヒーローが「英雄」と和訳されるのに対して、ヒロインにあたる適当な訳語はないが、女傑という言葉を当てられることもある。本来の意味から派生して、メインヒロインサブヒロインと用いられることもある。

ヒロインの定義[編集]

本来の定義である「女性の主人公」である場合は、言葉通りの意味を示す。映画漫画におけるもっとも主要な女性登場人物を指す語として以前から用いられていた[1]。映画のアカデミー賞等ではそれを演じる女優が主演女優賞の候補となりうる役とも言える。ただしヒロインと言う場合には、大きく活躍する勇敢なあるいは聡明な美女、もしくは男性主人公の恋愛対象を期待する場合も多い[2]。また、恋愛物であれば自動的に主人公の相手役と認識されることが多いが、恋愛のみがヒロインを決定する条件ではない事に注意が必要である。

複数の女性登場人物が存在する作品では、全員をヒロインと定義付ける事もある。しかし細かい区別として、作品上主要な位置にある者をメインヒロイン、主要ではないもののそれに順ずる位置にある者を「ヒロイン」、脇役に位置する女性キャラクターをサブヒロインと称する場合が多い。更に特撮番組に出演している女性出演者の事も同様に表現する。

比喩的な表現として、社会から注目されている女性や事件の渦中にある(活躍している)女性をヒロインと呼ぶこともある[3]

恋愛物における狭義のヒロイン[編集]

恋愛物の作品の場合、多くは主人公の恋人に位置する女性、もしくは恋仲に発展する事が予想される人物をヒロインと呼ぶことが多い。

しかし、主人公が男性の作品でも、恋愛物でなければ恋人や妻に位置する女性がヒロインとしてみなされない場合も多い。

日本では男性プレイヤー向けの恋愛ゲームにおいて、プレイヤーキャラクターと恋仲になりうる女性キャラクター(通常、複数存在する)のことを指す文脈で使われることがある。

恋愛物の場合ヒロインの様式として多いものは、普段は口喧嘩するがすぐに元に戻る「喧嘩するほど仲がいい」間柄、お互いのことを良く知るとされる「幼馴染」などが一般的だったが、近年のギャルゲーハーレムアニメ・漫画などは様式が傍流化して多種多様なヒロインが存在する。

なお、男性主人公と恋仲になる女性キャラクターという意味での「ヒロイン」の対象語、すなわち女性主人公と恋仲になる男性キャラクターの呼称は現在のところ定着していない。「ヒーロー」、「本命」、「プリンス」といった言葉が用いられることもあるが、いずれも市民権を得ているとは言い難い。

一般的なものでは、主人公と良くない出会い方をして、ヒロインの主人公に対する第一印象が最悪だったり、主人公がヒロインの理想の男性像とは正反対のパターンが多い。

また、お嬢様型のヒロインの中には本人の意思に関係なく縁談を決められた婚約者が主人公より後に登場するが、大抵はその婚約者は悪人である場合が多い。

広義化するヒロイン[編集]

言葉の本来の意味としては、前述のように「女性の主人公」が正しいものであるが、日本国内では物語の設定主軸そのものに深く関わる(キーパーソンとして活躍する)女性キャラクターや、恋愛劇などの影響により、主人公と近しい立場にあって、物語を主観的に体験していく女性キャラクターをヒロインとして扱う誤用認識の方が一般化している。ただし、これはアニメ漫画等の、不定期で長期間のメディア展開を行う可能性のある物語に置いて多く見られるポイントであり、ドラマ映画等ではヒロインは最初から一人に重点が置かれている作品が大半である。

洋画では名実共にヒロインとしての格が当てはまる役が度々登場するが、邦画の場合は女性の主人公ではそのまま「主人公、主役」と解説されるのが通例となっている。これは国内での本用語の定義が独自の認識で一般化したものと言える。

現在、ヒロインという役の意味合いは非常に多様で広義的なものになっている。その一方で、主人公と恋仲にならなくとも、ヒロイン(もしくはメインヒロイン)と呼ばれるキャラクターも多く(例:『ドラゴンボール』のブルマなど)、本義的意味でのヒロインだけに限らず、単純に物語に華・花束を添える女性キャラクターという意味で「ヒロイン」という言葉が用いられている。

男性のヒロイン[編集]

近年のアニメ漫画作品などにおいては、上述の定義と異なり、「女性の方が男性的な役割として強く、男性の方が女性的な要素を含む弱さを持つ」といった場合、立場が逆転させて「女性がヒーロ-、男性がヒロイン」と認識するサブカルチャー的風潮も存在している。この場合、本定義であるメス・女性である事には目をつむり、精神的な要素や立ち回りでそのようにとらえるといった側面を持つ。

ダークサイドのヒロイン[編集]

広義化が進む中、ダーク傾向となってしまうヒロインも存在する。主人公とは険悪な関係ながらも徐々に好意を寄せるヒロイン(ツンデレ)に対し、逆恨みなどで歪んだ愛情を主人公に向けるヒロイン(ヤンデレ)がある。

注釈[編集]

  1. 女性が主人公である場合とそうでない場合があるが、どちらもヒロインと呼ぶ。前者の例として「おしん」のおしん、「魔法使いサリー」のサリー、「風の谷のナウシカ」のナウシカなどが挙げられる。また後者の例としては「007」シリーズに登場するボンドガール、「男はつらいよ」シリーズのマドンナ役、ミッキーマウスが登場する作品でのミニーマウス、「ルパン三世」における峰不二子などが挙げられる。
  2. たとえば「のんのんばあとオレ」におけるのんのんばあは主要な女性登場人物ではあるが、普通はヒロインとは呼ばない。
  3. その例として、百年戦争で活躍したジャンヌ・ダルクなどが挙げられる。

関連項目[編集]

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