ロングテール

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The Long Tail(ロングテール)とは、「あまり売れない商品が、ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方。

名前の由来[編集]

ファイル:Long tail.svg
黄色部分がロングテール

商品売り上げのグラフを、縦軸を販売数量(population)、横軸を商品名(product)として販売数量順に並べると(右図)、売れない商品が恐竜尻尾(tail)のように長く伸びる。つまり、販売数量が低い商品のアイテム数が多いということを表す。このグラフの形状から因んで「ロングテール」という

ロングテールの起源[編集]

ロングテールは最初、オンラインDVDレンタル店の米ネットフリックスAmazon.comなどの特定のビジネスモデルを説明するために、米Wired誌の記事で同紙編集長であるクリス・アンダーソン (Chris Anderson) によって提唱された(2006年7月には、Hyperion Booksで単行本化された。邦訳は、早川書房刊『ロングテール』篠森ゆりこ訳)。尚、欧米では一般的にキャピタル表記で「The Long Tail」と記述されていることが多い。また日本では、「ロングテール効果」、「ロングテール現象」、「ロングテール論」として紹介されることもある。

ロングテールの一般的な意味[編集]

ロングテールは、オンライン小売店の一つであるAmazon.comを例に用いるとわかりやすい。一般的に、ある特定の分野における売り上げは、上位の20%が全体の80%を占めるというべき乗の法則(あるいは、20と80に限ってはいないが パレートの法則)に従っているとされている。今までのオフライン小売店では、在庫の制限などでこの上位20%に当たる商品を多く揃えなければならず、その他(80%)は軽視されることが多かった。しかしAmazon.comなどのオンライン小売店は、在庫や物流にかかるコストが従来の小売店と比べて遥かに少ないので、今まで見過ごされてきたこの80%をビジネス上に組み込むことが可能になり、そこからの売り上げを集積することにより、新たなビジネスモデルを生み出した。そのことを説明する時に使われるのが、ロングテールである。

ロングテールを語る際には、「ヘッド」と「テール」という言葉が使われる。厳密に言うと、ロングテールにおける「ヘッド」とは、現存する最も大きな小売店に置いてある商品の集合体(あるいは数)を指し、「テール」とは、それ以外の商品を集合体として呼ぶ際に使われる。本の分野だと、最も巨大な店舗に置いてある商品の売り上げ上位から下位全てがヘッド部分に属し、それ以外はテールに属しているということになる。これは、ロングテールがオンライン小売店の特徴的なビジネスモデルを説明するために使われ始めた点と符合する。

しかし「ヘッド」は、しばしばヒット作や多くの人達が知っている作品、ブログ等を呼ぶ際に使われ、テールはそれ以外を指す際にも使われることがある。またパレートの法則から上位20%をヘッド、下位80%をテールと呼ぶこともあるが、これはそもそもの言葉の定義上必ずしも正確な使用法ではない。しかしロングテールという言葉が普及するにつれ、元々の意味を拡張した解釈がなされており、必ずしもこれらの使い方が不正解とは言えないところである。

ロングテール・ビジネスの分類[編集]

それぞれ独立しているわけではなく、組み合わせとして存在している場合も多々ある。

フィルター[編集]

テール部分をフィルターして需要と供給のマッチングを助けてくれるサービス。代表的なものがGoogleYahoo!などの検索エンジン。またdel.icio.usはてなブックマークFlickrなどエンドユーザーがタグ付けを行うことでコンテンツを特徴づけ(これを「フォークソノミー」、大衆による分類という)、最適なコンテンツへ辿り着けやすくするサービスもフィルターの一部に含まれる。

アグリゲーター[編集]

テール部分を集積するサービス。代表的なものにアップルコンピューターiTunes StoreAmazon.comeBayなどがある。ヘッド部分とテール部分両方を抱えるのが特徴である。

制作ツール[編集]

テール部分をヘッド部分と比べて大きくするツールやサービス。各種ブログサービス、音楽制作を簡単にしたアップルコンピューターのGarageBandポッドキャスト作成を容易にしたOdeoなどがある。

制作者[編集]

上記のツールやサービスの恩恵を受ける形で、今までは需要がなかったコンテンツ制作者のビジネスの可能性の拡大。例えば、広告媒体として今までは考えられていなかった個人運営ブログがGoogleアドセンスにより広告媒体として機能することを可能にした。

その他[編集]

日本では、『ウェブ進化論』(梅田望夫著、筑摩書房)で取り上げられたことにより、一連のWeb 2.0ブームと共に脚光を浴び、新聞の特集記事などを飾るほど一般的な用語となった。

ロフティヘッド

外部リンク[編集]