日産・オースター

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オースター(AUSTER)は、1977年から1990年まで日産自動車で生産されていた乗用車バイオレットスタンザ姉妹車である。

歴史[編集]

初代 A10型(1977年-1981年)[編集]

  • 1977年5月20日登場。当初の車名は「バイオレットオースター」。姉妹車のバイオレットがファミリーカー、3ヶ月遅れて登場したスタンザが小さな高級車という位置づけだったのに対してスポーティな若者向けの車として位置づけられた。ボディは4ドアセダンと「マルチクーペ」と称する3ドアハッチバッククーペ、そして5ドアライトバンの3種類があり、マルチクーペのボディカラーには鮮やかなが設定された。エンジンは、OHV・1400cc(A14)とSOHC・1600cc(L16)。
  • 1978年4月、マイナーチェンジ。53年排出ガス規制対応でA11型車となる。エンジンがL16S、L16EからZ16S、Z16Eに変更。車名も「オースター」となる。外観上の違いはオーナメント類の記号が「V」から「A」となる。
  • 1979年6月、マイナーチェンジ/全車フォグランプ内蔵の角目2灯式ヘッドライトに変更されると同時に内装では6連メーター(タコメータ・油圧/電圧計装備)/1400ccが廃止されて1800cc(Z18/Z18E・SOHCツインプラグ)が登場した。
  • 1979年8月、バンが54年排出ガス規制に対応。VA11型車となる。
  • 1980年4月、5ドアハッチバックとセダン1800CSを追加。

2代目 T11型(1981年-1985年)[編集]

  • 1981年6月登場。姉妹車のバイオレット/スタンザ同様FF化され、4ドアセダンと3ドアハッチバックが設定された。正式車名は「オースターJX」。「JX」とは「Jump X」の略である。「日産のFF世界戦略車」「FFグランツーリスモ」とのキャッチコピーでFFであることを前面に押し出した広告展開を行った。
エンジンは新開発のCA型を搭載し、排気量は1600ccと1800cc。
前期型は空力に優れたモダンなデザインのフロントマスクを持つ。
  • 1981年10月 1600CS-X追加。
  • 1983年6月 マイナーチェンジ。カタログ上サブネームの「JX」が非常に小さな表記となり、CMなどでも単に「オースター」のみの呼称となった。
フロント部分を角ばったデザインに修正し、スタンザとボディパネルを共通化。
ブルーバードなど同クラスの車種が相次いでFF化され、販売は低迷した。
  • 1983年11月 特別仕様車GS-Xエクストラ発売。
  • 1984年5月 1600GS、1800GS-L スーパーサルーン追加。

3代目 T12型(1985年-1990年)[編集]

  • 1985年10月登場。またサブネームの「JX」が取れ正式車名が再び「オースター」に戻った。U11型ブルーバードのプラットフォームおよび基本コンポーネントを流用し、ヨーロッパ向けは「ブルーバード」、北米では「スタンザ」名で販売された。
先々代のように角を基調としたボディとなる。当初4ドアセダンのみだったが、翌年に5ドアハッチバックが追加。
エンジンは1600ccSOHC電子制御シングルキャブレター(CA16S)「1.6Vc」「1.6Mc」、1800ccSOHCシングルポイントインジェクション(CA18i)「1.8Vi」「1.8Mi」「1.8Xi」、同SOHCターボ(CA18ET)「1.8Xt」、同DOHC16バルブターボ(CA18DET)「1.8Xtt TWINCAM TURBO」。先代、先々代と違い、スポーツ性を強調したキャラクターとなった。
「ユーロフォルマ」と称するエアロパーツ装着車が、SOHC(CA18i)「1.8Siユーロフォルマ」、DOHCターボ(CA18DET)「1.8Rttユーロフォルマ TWINCAM TURBO」に設定された。
4ドアセダンのトップグレードである「1.8Xtt TWINCAM TURBO」にのみ、メーカーオプションで超音波路面ソナーを用いた電子制御サスペンション「スーパーソニックサスペンション」を設定。
  • 1986年6月 同時にフルモデルチェンジした4ドアセダンのみのスタンザとの差別化を図るため「ユーロハッチ」と称する5ドアハッチバックセダンが追加。CA18iを搭載する「TYPE Ⅰ」とCA18DETを搭載する「TYPE Ⅱ」の2グレード。
5速MTのみの設定だった4ドアセダンの「1.8Rttユーロフォルマ TWINCAM TURBO」、「1.8Xtt TWINCAM TURBO」にオーバードライブ付4速オートマチック仕様が追加。
  • 1986年7月 英国日産自動車製造会社にて生産を開始(現地名はブルーバード)。欧州での販売は好調だった。
  • 1987年2月 特別仕様車Xiブリティッシュ発売。
  • 1988年1月、マイナーチェンジ。4ドアセダン、ユーロハッチ共にバンパーがスマートな形状となり、全長が若干短くなった(例としてT12型オースター4ドアセダンの場合、前期型の全長は4,515mm、後期型の全長は4,460mmと、前期型に比較して55mm短縮されている)。CA18ET型ターボエンジンを搭載するグレード「1.8Xt」のエンジンがCA18DE型DOHC16バルブエンジンに差し替えられグレード名が「1.8Xt TWINCAM」となる。
CM(3代目)は前期が洋楽オールディーズの名曲「スタンド・バイ・ミー」(歌:ベン・E・キング)。キャッチコピーは「時を震わす。ロマンシング・オースター」、「こしゃくなセダン」。後期は英国軍隊の行進をバックに「It's BRITISH MAJOR(イッツ・ブリテッシュ・メジャー)」というキャッチコピー。
当時の国産車として初のバスレフ式フロントドアスピーカーが採用されていた(但し、最廉価グレードの「1.6VC」を除く。また「1.6VC」にはタコメーターが標準で装備されておらず、代わりに大型のアナログ時計が標準装備となる)。

車名の由来[編集]

  • オースターとは英語で「南の風」という意味である。ちなみに初代のキャッチコピーは、この意味を付け、「南の風、晴れ」とした。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]